ケンコー・トキナーがCP+2023で出展していた星景写真に最適なフィルター、スターリーナイトプロソフトンが遂に発売されました。今回はフィルター効果の解説と実際に撮影で使用した感想を作例と併せて紹介します。
2枚のフィルター効果が1枚に
既にKenkoから発売されている光害カットフィルター【スターリーナイト】とソフトフィルター【PRO1D プロソフトン クリア(W)】の効果を1枚のフィルターにまとめたのが、スターリーナイトプロソフトンです。まずはこの2種類のフィルターが具体的にどのような効果があるのか簡単に説明していきます。
・光害カット効果
光害は星景写真において避けては通れない問題で、たとえ山奥であっても市街地の明かりは少なからず影響します。特に夜空が黄色がかったような色被りなどは、RAW現像ソフトで調整して写真を仕上げていきますが、光害カットフィルターを使用すれば色被り補正をする手間が省けて現像作業が非常に楽になります。また、星空の撮影に限らず様々な人工光源が混在する夜景撮影でも光害カットは効果的です。
・ソフト効果による星座強調
天体撮影に欠かせないのがソフトフィルターです。フィルター無しで星を点像で捉える場合、明るい星まで小さな点として写ってしまうためメリハリがなく、見せたい星や星座が非常に分かりにくい写真になってしまいます。しかし、ソフトフィルターを使うと明るい星を滲ませて大きく見せる効果があり、星座や色をハッキリと浮かび上がらせ強調することができます。また、スターリーナイトプロソフトンはソフト効果が弱いため、星景撮影において風景への影響を気にすることなく使用できるのが大きな特徴でもあります。
フィルター無しでは街の明かりで空が黄色味がかり星も小さく判別し難いですが、スターリーナイトプロソフトンを使用した場合では街明かりの色被りも改善されて、明るい星や星座が強調され北斗七星まではっきり見て取れます。
1枚になった利点
2つのフィルターが1枚になったことにより、今までフィルターを超広角レンズに重ね付けしていた際に発生していたケラレ(四隅に出来る黒い影)が出なくなり、現像作業がとても楽になりました。2枚以上の重ね付けは仕上がりに様々な悪影響を及ぼしますが、2つの効果を兼ね備えたスターリーナイトプロソフトンであれば、ハーフNDフィルターやクロスフィルター、角型グラデーションフィルターとの組み合わせが可能になり、作品作りの幅が広がるでしょう。何より暗闇でフィルターを探す手間や荷物が減ることが個人的には一番嬉しいですね。
作例
星景写真のマストアイテム
今まで星景撮影で様々なフィルターを使用してきましたが、スターリーナイトプロソフトン1枚あれば十分だと感じました。正直今のところ何の不満もないです。強いて言えばもっと早く発売してほしかったですね…笑
フィルター径も49mm〜82mmまでと充実のラインナップなので使用しているレンズに装着できないということは無いはずです。(前玉が飛び出たレンズは当然無理ですが)
今後の星景撮影では間違いなく常用フィルターになると思います。星を撮る人は買って損の無いフィルターですので是非使ってみてください。
コメント
この記事へのコメントはありません。
この記事へのトラックバックはありません。