【氷の神殿・二ツ小屋隧道】氷柱ライトアップ撮影

氷の神殿と呼ばれる福島県にある廃トンネル、万世大路の二ツ小屋隧道で行った氷柱ライトアップ撮影について紹介します。ライトアップといっても氷柱のライトアップイベントがあるわけではなく、ストロボやLEDライトを使ったセルフライトアップでの撮影なのでご了承ください。また、冬季の遺構探索や雪山の経験が無い方、装備不足の方は最悪の場合命を落とす危険があります。訪れる際は自己責任のもとルールを守り慎重な行動をお願いします。

※2022年2月、隧道内にて来訪者が転倒し救急搬送される事故が発生。

万世大路と隧道

明治初期に山形県の米沢と福島を結ぶ道路として開通した万世大路(旧名:萬世大路)は廃道となった現在も峠区間に隧道(トンネル)が現存し、有志の方々がボランティアで道路整備等の保存活動を行なっています。今回は2つある隧道(栗子隧道と二ツ小屋隧道)の中でも冬になるとトンネルの亀裂から湧き出た水が巨大な氷柱になることで有名な二ツ小屋隧道で撮影を行いました。

二ツ小屋隧道の氷柱

訪れる際の注意点

冬季に二ツ小屋隧道へ行く際は必ず下記注意事項を守ってください。

【駐車禁止】

近くに駐車場はありません。登り口付近の福島側国道13号東栗子トンネル横の待避所は除雪車の転回、排雪場所になっており作業に支障が出るため駐車は禁止されています。また福島側へ下った場所にある二ツ小屋駐車帯も駐車禁止になっています。訪れる際はタクシーを利用するか知人や友人に送迎を頼みましょう。

【ヘルメットの着用】

隧道内の氷柱はとても大きく、崩れて頭に直撃した場合や、転倒して氷塊に頭を強打すると命に関わる事故になります。隧道の崩落箇所も多いためヘルメットの着用は必須。

【アイゼン・チェーンスパイクの着用】

隧道内には滑って歩行が困難な凍結箇所が多くあり、氷柱周辺の地面は氷で盛り上がっていて非常に危険です。転倒して搬送される事故も発生しているのでアイゼンやチェーンスパイクは必ず着用し、事前に装着練習や歩行練習を済ませておきましょう。

東栗子トンネル横の待避所は全面駐車禁止

装備・機材

目的地までの距離は短いですが、東北の厳冬期、しかも夜間の山歩きなので基本的な冬山装備にヘルメット、アイゼン、ヘッドランプ、積雪が多いのでスノーシューとスノーバスケットを装着したトレッキングポールを使用。今回は氷柱のライトアップ撮影が目的なのでライティング機材に信頼性の高いストロボを3台(600EX Ⅱ-RT)、ワイヤレス撮影用のトランスミッター(ST-E3-RT)、補助光に調光LEDライト、カラーフィルム、狭い空間ということと氷柱の迫力を出すため14mmの超広角レンズと使い勝手のいい24−105mmのズームレンズを使用しました。必須ではありませんが、レンズの結露や霜付き対策にレンズヒーターを用意しておくと良いでしょう。

アプローチ

午前4時、国道13号福島側東栗子トンネル入口から約100m手前右手のスタート地点へ。積雪が多く、つぼ足での歩行が困難なので最初からスノーシューを装着し行動開始。暗闇と吹雪で視界が悪く、目印であるピンクテープとトレースを早々に見失い、事前にルートを登録しておいたGPS(GARMIN GPSMAP 64csx)を頼りに隧道坑口までラッセルしながら直登。積雪やトレースの状態にもよりますが片道おおよそ30分〜1時間程度です。

二ツ小屋隧道坑口

散策

入り口でスノーシューを外してヘルメットとアイゼンを装着し、撮影場所を探しながら内部を散策。入ってすぐに有志の方々の活動記録やパネルが出迎えてくれます。大きな氷柱周辺の地面はとても滑りやすく崩落の危険もあるため、必要以上に近づかないよう注意しながら奥へ。地面をよく観察してみると大きく育った氷荀を発見。さらに奥へ進むと雪が吹き溜まる山形側の出口が見えてきました、引き返して中間地点にあった一番大きな氷柱を被写体に撮影の準備に取り掛かります。

山形側の坑口

撮影

午前6時、外が薄明るくなりトンネル内部に光が入り込む前に撮影を開始。今回は3台のストロボにそれぞれカラーフィルムを装着し、多灯ライティングでカラフルなトンネルと氷柱を演出しました。氷塊や氷柱の後ろに光源を配置することで氷の透明感を際立たせる事が出来ます。

氷柱を囲むようにストロボを配置

悪天候が続く厳冬期でも雪や強風などの天候に左右されずに撮影できるのはトンネルの強みですね。

作例

SIGMA Art14mm F1.8 ISO200 F11 10秒

RF24-105mm F4L ISO200 24mm F8.0 1/100秒

最後に

氷柱ライトアップ撮影いかがだったでしょうか。観賞できる期間も短く辿り着くまでが大変ですが、遺構と自然が織りなすファンタジーの世界のような絶景は一見の価値があります。

訪れる際はマナーを守り保存活動を行っている有志の方々への感謝の気持ちを忘れずに観賞しましょう。

記事一覧

佐藤 徹

1986年岩手生まれの岩手在住。 東北の山々や自然風景、鉄道情景を撮影しているフォトグラファー。 日本山岳写真協会会員

関連記事

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。