八幡平ドラゴンアイ星空撮影ガイド【2024年版】

十和田八幡平国立公園の絶景、八幡平ドラゴンアイと星空を入れた星景写真の撮影方法や必要機材等について紹介します。

八幡平ドラゴンアイについて

八幡平ドラゴンアイとは秋田県と岩手県の県境に位置する日本百名山八幡平の山頂近くにある鏡沼が春の雪解けで龍の眼のような形状になることからドラゴンアイ(龍の眼)と呼ばれています。沼の中心部分が円状に融解した状態を【開眼】と言い、ドラゴンアイの一番美しい姿になりますが、気候条件により崩れる場合があるので、綺麗に整った開眼状態を見れるかどうかは運次第です。

撮影時期

例年通りであれば開眼状態になるのが6月上旬〜中旬なので、5月下旬辺りから八幡平市観光協会で更新されているドラゴンアイ情報をチェックすることを勧めます。

星景写真を撮る場合は雪解けや天候以外に月齢や月の出、月の入り時刻のチェックも重要になってきます。満月など明るい状態で星を撮影するのは難しく、かといって暗すぎると景色が写らないので、新月前後や月の出や月の入りの薄暗い時間を狙いましょう。

2024年の5月末〜6月上旬は月齢、月の出入り時刻ともに天体撮影の条件に適しているので天候が良ければドラゴンアイと南の空に架かる天の川を撮影できます。

日付月齢月の出月の入り撮影推奨時刻
5/3022.010:270:00〜1:30
5/3123.00:2611:400:30〜2:30
6/124.00:5112:521:00〜3:00
6/225.01:1614:051:30〜3:00
6/326.01:4115:192:00〜3:30
6/427.02:0816:342:30〜3:30
6/528.02:4017:50─────
6/629.0(新月)21:3719:04─────
6/70.64:0720:10─────
6/81.65:0321:06─────
6/92.66:0621:52─────
6/103.67:1322:2820:00〜22:00
6/114.68:1922:5720:00〜22:30
6/125.69:2323:2120:00〜23:00
6/136.610:2423:4320:30〜23:30
6/147.611:2420:30〜1:20
2024年撮影時刻早見表

撮影機材・装備品

八幡平ドラゴンアイの星景撮影に必要な機材とおすすめの装備品を紹介。

カメラ

高感度に強いフルサイズの一眼レフカメラor一眼ミラーレスカメラがオススメ。メーカーやレンズ次第ではAPS-C機や入門機でも撮影できるので、事前に試し撮りしておきましょう。

レンズ

開放F値が2.8以上の広角、超広角レンズ推奨です。24-70mm F2.8や16-35mm F2.8などのズームレンズでも撮れますが、15mm前後の大口径単焦点レンズがあれば高画質でダイナミックな星空を撮影出来るのでオススメです。

三脚

基本的になんでもOKですが場所によってはカメラの位置が低いと雪の傾斜で水面が隠れてしまうので全高が高い三脚を持って行くといいでしょう。駐車場からドラゴンアイまでそれほど距離はありませんが残雪の坂道なのでカーボン製の軽量モデルであれば道中が楽になります。

レリーズ

天体撮影には必須なので、使用しているカメラに対応したものを忘れずに用意ましょう。インターバルタイマー機能のあるものが便利でオススメです。

レンズヒーター

長時間撮影する場合レンズの曇りや結露が発生する可能性が高いです。絶対に必要というわけではありませんが、低価格のもので十分なので用意しておくことをオススメします。

防寒着

6月とはいえ残雪の標高1600mでの夜間撮影になります、風も冷たく気温も一桁なのでダウンジャケットや手袋は必ず用意しましょう。

防寒靴

雪の上での撮影になるので保温性の高いトレッキングシューズや防寒長靴を履くことを勧めます。スニーカーは滑って危険なのでやめましょう。

アイゼン

必須ではありませんが鏡沼までのルート上の雪が踏み固められて凍結していることがあるので、軽アイゼンやスパイクを用意しておくと転倒による滑落や機材の破損防止になります。

熊よけ

八幡平はツキノワグマの巣窟なので中型用の熊撃退スプレーや熊よけ鈴は必須です。特に早朝や夕暮れ時は周辺で目撃情報や被害も出ているので要注意です。

アクセス

八幡平アスピーテライン・八幡平樹海ラインを通り八幡平山頂レストハウスを目指します。17時以降はレストハウスの駐車場が無料で利用できますが、営業開始時間まで停めていると駐車料金を徴収されるので、車中泊や小屋泊で長時間滞在する場合はレストハウス手前の無料駐車場を利用しましょう。

ルートと注意箇所

山頂レストハウスの駐車場を出て県境を秋田側へ進むと八幡平山頂への入り口があるので遊歩道に沿って坂道を登って行きます。

途中で遊歩道の分岐(鏡沼分岐)があるので左へ進みます。

③分岐を左へ

【要注意!】 分岐より先は残雪で滑りやすく危険です。歩行が難しいと感じた場合は分岐地点で軽アイゼンやチェーンスパイクを装着しましょう。

分岐以降は遊歩道が雪で隠れているのでピンクテープの目印に沿って進みます。迷うことはないと思いますが夜間は注意が必要です。

④ピンクテープが目印

【要注意!】 ルート上に生えている木の周りには深さ1m以上の根開き(雪解けの穴)があるので落ちないよう注意。

鏡沼の周りにはロープが張られています、危険なので中に入って撮影しないこと。

⑤危険なのでロープの内側に入らないよう注意

撮影ポイント

各ポイントから見た参考構図と画角です。鏡沼の東側はアオモリトドマツが生い茂って撮影できないので撮影ポイントは北側・西側・南側のエリアになります。

北側
北側 14mm

北側撮影ポイントは鏡沼と距離と高低差があるため、高さのある三脚を使用して俯瞰気味で撮る必要がります。また構図内に遊歩道が入り夜間は他の撮影者のライトなどが高確率で入るということを念頭において撮影に臨みましょう。

南側
南側 24mm

スタートレイル(星のグルグル軌跡)を狙って撮影する場合は南側から北の空を狙いますが、問題は構図内に他の撮影者の大半が写り込むということ、北側・西側で撮影する人の構図に写り込むということです。自分以外に撮影者がいる場合はあまりオススメできません。

西側
西側 (北西)24mm

ドラゴンアイで一番人気の撮影ポイントが西〜北のエリアになります。条件の良い日は出遅れると撮影場所を確保出来ないこともあるので余裕を持って行動しましょう。

作例と解説

Canon EOS 5D4 SIGMA Art14mm f1.8 ISO1600 30s

北西から天の川を入れて撮影。超広角〜広角レンズであればマニュアルフォーカスで無限遠に設定し、25〜30秒程度のシャッタースピードで星を点で捉えることができるので、使用するレンズのF値とカメラの高感度耐性を考慮しISO値を決めます。目安としてはドラゴンアイの露出をアンダー気味に合わせるといいでしょう。

Canon EOS R5 SIGMA Art14mm f1.8 ISO2000 13s

高感度に強いカメラと明るいレンズであればISO感度を上げて露光時間を10秒前後にすることで、流星を捉えやすくなります。

Canon EOS R5 SIGMA Art14mm f1.8 ISO320 30s (比較明合成)

1〜2時間インターバル撮影を続け比較明合成することで星の軌跡を撮影することができます。前提として長時間晴れていることや他の来訪者のライトの写り込みが無いことなど条件は厳しいですが、撮影時間に余裕があれば狙ってみると良いでしょう。

最後に

八幡平ドラゴンアイは自然現象で見ることのできる絶景です。撮影の為に人の手を加えたりすることは絶対にやめてください。たくさんの人が訪れる場所なので常識ある行動を心がけ、怪我や事故のないよう撮影しましょう。

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佐藤 徹

1986年岩手生まれの岩手在住。 東北の山々や自然風景、鉄道情景を撮影しているフォトグラファー。 日本山岳写真協会会員

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