【冬の絶景】日本三大樹氷を見に行こう!【2024年版】

冬の絶景で有名な樹氷。その特異な形状から”スノーモンスター”や”アイスモンスター”とも呼ばれる雪と氷が作り出す絶景は国内のみならず、世界中からツアーで観光客が訪れる程の人気観光スポットになっています。

樹氷はいつどこで見れるのか、見に行くのに必要な装備、観賞マナーなど細かく説明していきます。

樹氷とは

樹氷は日本海で発達した雪雲が多くの過冷却水滴(氷点下でも凍らない水滴)を雪と一緒に針葉樹へ吹き付け、それを繰り返すことにより付着した氷が成長する自然現象です。多くの条件が揃わないと大きな樹氷は形成されない為、東北地方の奥羽山脈など見れる場所が限られます。

樹氷の見ごろ

樹氷が見れる時期は1月上旬~2月末ですが、気象状況により成長具合が毎年異なります。2月は大きく育った樹氷が期待できますが、気温が上がったり雨が降ると一瞬で崩落するため、確実に見れる1月下旬から2月上旬がオススメ。

服装・装備品

樹氷を観賞できる山頂付近は氷点下10℃を下回り、暴風雪で目を開けるのも困難な日が多いです。荒天時は体感温度が氷点下30℃にもなるので万全の装備で行きましょう。混雑時はロープウェイの順番待ちが発生し極寒の中で長時間待つこともあり、スマートフォンは冷えすぎると電圧の低下により使用できなくなるため、ポケットの中にカイロを入れるなどして保温しましょう。

【オススメ基本装備】
  • 帽子(耳まで覆えるもの)
  • グローブ(保温性の高いもの)
  • フード付きのハードシェルジャケット、又はダウンジャケット
  • インナータイツ
  • 保温性の高い冬用ソックス
  • 防寒長靴、又は保温性の高いブーツ
  • サングラス、又はゴーグル
  • カイロ
【スノーハイク装備】

 樹氷観賞エリア外を散策する場合に便利。

  • スノーシュー、又はワカン(森吉山ではスノーシュー無料レンタルあり)
  • トレッキングポール(スノーバスケット付)

観賞マナー

  • 樹氷を傷つけたり汚したりしないこと。
  • 柵やロープの張られたエリア外に立ち入らないこと。
  • ゴンドラ乗車時や乗車待ちの際は他の乗客の迷惑になるような大きなバックパックは降ろすこと。
  • トレッキングポールやスノーシュー、三脚などが他の乗客にぶつからないよう注意すること。

日本三大樹氷

日本三大樹氷とは、山形県の蔵王、秋田県の森吉山、青森県の八甲田山にあるスキー場からロープウェイやゴンドラで行くことのできる樹氷原のことです。スキー場ごとに様々なイベントやサービスを行っているのでアクセス方法や駐車場、各種料金等を合わせて紹介していきます。

蔵王 【山形県】

日本三大樹氷の中で一番アクセスしやすく首都圏から近いのが宮城県と山形県に連なる蔵王連峰。

蔵王温泉スキー場の蔵王山麓駅からロープウェイを乗り継ぎ、終点である地蔵山頂駅の周辺が樹氷観賞エリア。

蔵王の樹氷は夜間のライトアップやナイトクルーザー号(雪上車)に乗車し樹氷の中を巡る《樹氷幻想回廊》ツアーが人気で三大樹氷の中で唯一、ツアー以外で夜の樹氷を見ることができます。

【アクセス】

・山形新幹線 東京駅 ― 山形駅(2時間30分) ⇒ バス 山形駅 ― 蔵王温泉(45分)

・東北新幹線 東京駅 ― 仙台駅(1時間40分) ⇒ 高速バス 仙台駅 ― 蔵王温泉(90分)

・車 (東北・山形自動車道) 村田JCT ー 山形蔵王IC(40分) ― 蔵王温泉(30分)

【駐車場】

・蔵王山麓駅前に無料駐車場あり(台数少な目)

・蔵王温泉スキー場周一回辺に有料駐車場が複数あり(一回1000円)

【営業時間】
 ロープウェイ運行時間 ナイトクルーザー号(要予約)
通常営業時  8:30~17:00      ―――――
樹氷ライトアップ期間17:00~21:00
(蔵王山麓駅上り最終19:50)
蔵王山麓駅出発/17:00、18:00、19:00
※悪天候の場合変更あり
【料金】
ロープウェイ(蔵王山麓駅ー地蔵山頂駅) ナイトクルーザー号(要予約) 
大人 (往復)       3,000円     4,500円
子供 (往復)       1,500円     3,800円

森吉山 【秋田県】

秋田県にある日本三大樹氷が森吉山の樹氷です。北秋田市にある森吉山阿仁スキー場のゴンドラに乗り、樹氷群の中を歩いて観賞のできる樹氷平へ行くことができます。

蔵王や八甲田山よりアクセスし難いのが難点ではありますが、阿仁スキー場の無料駐車場は駐車台数600台と広く、混雑時でもゴンドラの待ち時間が短く1人で行っても6人乗りゴンドラに1人で乗ることができるため、人混みが苦手な方や1人でのんびり楽しみたい方にオススメ。

また、山頂駅では無料でスノーシューや長靴等の貸し出しをしているので、積雪時に樹氷平を散策する場合はレンタルするといいかもしれません。

また、阿仁スキー場公式HPではゴンドラの運行状況や山頂の天候を見ることができるので、事前にチェックしましょう。

【アクセス】

・秋田新幹線 東京駅 ― 角館駅(3時間)⇒ 秋田内陸縦貫鉄道 角館駅 ― 阿仁合駅(1時間20分)

・森吉山周遊タクシー 阿仁合駅 ― 森吉山阿仁スキー場(20分)大人1人1,100円 ※1時間前までに予約が必要

【駐車場】

阿仁スキー場前に無料駐車場あり(約600台)

※2022年2月の3連休(快晴)は大混雑でスキー場から3km以上の渋滞と路上駐車が発生。晴れ予報の土日祝は余裕をもって早めに現地入りしましょう。

【営業時間】
       阿仁ゴンドラ 夜の樹氷観賞会(要予約)
樹氷期間9:00~16:00 上り最終15:00/下り最終15:30 開催日の17:30出発~19:30解散
※夜の樹氷観賞会は雪上車で行く事前予約ツアー(2022年は全日程中止)
【料金】
   阿仁ゴンドラ     夜の樹氷観賞会(要予約)
大人 (往復)   1,800円        3,000円
子供 (往復)     800円        1,500円
※夜の樹氷観賞会開催日以外の雪上車貸し切りは30,000円(2022年は全日程中止)

八甲田山 【青森県】

最後に紹介する日本三大樹氷は青森県にある八甲田山です。日本百名山でもある八甲田山は、本州で最も積雪の多い酸ヶ湯温泉や八甲田雪中行軍遭難事件など、全国的に有名な場所なので一度は耳にしたことがあると思います。

八甲田ロープウェー山麓駅からゴンドラに乗り山頂公園駅で降りると樹氷観賞エリアですが、蔵王や森吉山と比べて気象が荒く風速が25m/sを超えるとゴンドラは運休し、樹氷シーズン中を通して数日しか天候に恵まれないため天気の良い日を狙って行くのは難しいです。しかし樹氷を見れる期間が長く、快晴の日に見ることができる白銀の世界に巨大な樹氷群が何処までも続く雄大な景色は壮観。運が良ければ夕陽で赤く染まる樹氷を見れることも。八甲田ロープウェー公式HPの運行状況と天候をチェックしながら諦めずに何度も足を運んでみることをオススメします。

夕陽で赤く染まる八甲田山の樹氷 (2023年1月12日撮影)
【アクセス】

・東北新幹線 東京駅 ― 新青森駅(3時間)⇒ JRバス(みずうみ号) 新青森駅(東口) ― 八甲田ロープウェー駅(1時間)

・東北自動車道 黒石ICから車で29km

【駐車場】

八甲田ロープウェー山麓駅に無料駐車場あり(約350台)

※2021年2月の土日(快晴)は大混雑で路上駐車も出来ない状態でした。晴れ予報の土日祝は早めに現地入りしましょう。

【営業時間】
                         八甲田ロープウェー      
11月中旬~2月9:00~15:40

【料金】
                         八甲田ロープウェー     
   大人(中学生以上) 往復    2,000円
   子供(小学生)   往復   700円

まとめ

日本三大樹氷それぞれの特徴と鑑賞ポイントを解説してきました。いかがでしたでしょうか。シーズン中は天候に恵まれる日が少なく、思っていたような樹氷鑑賞が出来ないかもしれませんが、諦めずに足を運んでみましょう。

東北にはここで紹介した三大樹氷以外にも樹氷を見ることのできる山があるので、雪山登山の経験があり、体力に自信のある方は岩手県と秋田県に跨る八幡平や、山形県と福島県に跨る西吾妻山などもオススメです。

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佐藤 徹

1986年岩手生まれの岩手在住。 東北の山々や自然風景、鉄道情景を撮影しているフォトグラファー。 日本山岳写真協会会員

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